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ヒデキングダム Blog
2017/08/16[Wed]
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2009/08/08[Sat]
匿名Fさんより頂いた「騎士道ハニィ」のショートストーリーです。
お話…って凄いですね!ありがとうございます!
ライルの輝かしい設定がどんどん忘れ去られていきそうで素敵です。
い、一応天才騎士ですから!一応!

内容に女装が含まれますので、本文へはワンクッション置かせて頂きます。

穏やかな風が葉を揺らし、暖かな日差しが眠気を誘う、そんなある日の午後。
窓の外を見ていたジュリア気だるげに溜息をつく。

「街に出たいわー・・・」
「・・・ジュリア様、そういうことはせめて溜まった勉強を終えてから言ってください」
「えー」

教育係であるマリウスに言われ、仕方なく視線を元に戻す。
そこには軽く山になった様々な本がジュリアを待っていた。

「無理」
「読む前から諦めないでください・・・まったく、教育係として悲しゅうございます」

頭痛でもするのか、マリウスが手で己の額を抑える。

「ジュリア様には王族として、立派な人物になるという義務が御有りなのですよ?」
「それは分かってるわよ。けれどマリウス?ただ机で本を読むだけが勉強じゃないと思うのよ。
 街に出て、民の声を直接聞くこともきっと勉強になると思うわ」
「確かに一理あります。ですがジュリア様、そんなに目を輝かせて主張しても説得力がありませんよ」
「うぐっ・・・」

二人がそんなやりとりをしていると、コンコンと扉を叩く音が聞こえてきた。

「あの、王女様、マリウス様、お茶をお持ちいたしました」
「ああ・・・もうそんな時間ですか」
「ありがとう、並べて頂戴」
「かしこまりました」

ドアを開けて入ってきたのはジュリア専属の侍女達だった。
彼女達は手際よくお茶の用意を進めていき―――

「・・・ってノア、なんでさりげなくお前が混じっているの?」
「あ、あはは・・・」

困ったように笑うジュリアの専属騎士、ノア。
彼はなぜか侍女達と同じ服を着て仕事を手伝っていた。
恐ろしいことにあまり違和感がない。

「なんだろうこの敗北感・・・」

何か負けてはいけない部分で負けてしまった気分である。
それはそれとして。

「それが僕にもよく分からず・・・侍従長さんにお茶の用意を手伝うと言った途端にこんな恰好にさせら れて・・・」
「ノア殿・・・」

やや頭痛が増したらしいマリウス。
何か言いたかったようだが脱力感の方が勝ったらしく、お小言は保留にすることになったらしい。

「まぁ折角のお茶ですし、休憩にしましょうか」
「そうね、そうしましょう」
「ですがジュリア様、休憩が終わったら先の倍の内容を修めていただきますよ」
「うげっ・・・」

 

 

 

 

休憩も終わり、さぁ続きとばかりにマリウスが教本を探していると、先程とは別の侍女がやってきた。
なんでも陛下――ジュリアの父親がマリウスを呼んでいるとのことらしかった。

「ジュリア様、私がいないからといってさぼったりしないでくださいませ。ノア殿、ジュリア様の事をた のみましたよ」

そう言い残してマリウスは部屋を出て行った。
ジュリアとノアだけが部屋に残る。

「さて、ノア」
「はい?」

ものすごく真面目な顔をしながらジュリアはのたまった。

「街に出るわよ」
「え」
「急ぎなさい、マリウスが戻る前に抜け出すからね」
「え、ええ?あの、王女?」

スタスタと着替えのある部屋へ入り、あっという間に着替えて出てくるジュリア。
対するノア、未だに侍女姿のままである。

「ああもう、何やってるの。仕方ないわね・・・そのままいらっしゃい」

がしっとノアの手を取って部屋を抜け出すジュリア。
見つからない抜け道を熟知しているのか、誰にも出くわすことなく二人の姿は城の外へと消えていった・・・。


「王女ぉおーーーーーーっ!!」

戻ってきたマリウスの叫びが場内に響き渡ったのは言うまでもない。

 

 

 

 

めそめそ


「さ、街に着いたわよ!」


めそめそめそ


「いやー、意外とばれないものなのねぇ。やっぱりこんな時のための服を用意しておいてよかったわ」


めそめそめそめそ


「さて、まずはどこに行こうかし・・・」


めそめそめそめそめs


「あーもう鬱陶しい!」
「せめて・・・せめて騎士装束に着替えたいです・・・」
「駄目よ。折角私が変装(?)しているのに、お前がそんな恰好したらたちまちばれてしまうわ」
「ですがジュリアおうj」
「あ、ストップ。その呼び方禁止」
「はい?」
「だから、ばれちゃうんだってば。いい?今から私の名前はサラと呼びなさい」
「は、はい・・・ジュr『サ・ラ・よ?』・・・サラ様」
「それでよし。あと、お前も違う名前で呼んだ方がいいわね。えっと・・・じゃあマナで」

そんな感じで偽名が決まり、二人は色々な場所へと足を向けた。
傍から見てるとこの二人、裕福層のやんちゃ娘と振り回される侍女に見える。
だーれも気付かなかった。
本当に誰も。
あの男も。

 

 

 

 

 

 

「お美しいお嬢さん、よろしければお茶でもいかがですか?」
「は、はぁ・・・」
(ぷ、く、ちょ、駄目・・・!こらえ切れない・・・!!)

簡単に状況を説明すると、街中で偶然出くわしたライル(今日は非番だったらしい)にノアが口説かれ、ジュリアが物陰で爆笑をこらえているという状態である。
何でそんなことになったのかというと、ジュリアが買物(下着やらなんやら)をしている間、店の外で待っていたノアが粗暴な男にナンパされ、それをライルが助けたらしい。

「こうして出逢ったのも何かの縁、ささ遠慮なさらずに」
「あ、あの~、ライル殿?」
「おお、私の事を知っておいでとは。騎士としてとても嬉しく存じます」

ライルの眩しい笑顔がノアに炸裂。
ノア、大困惑。

(二人には悪いけど!もう限界!!ほんとにごめん!!!)

ジュリア、大爆笑5秒前。

 


この後全てを知ったライルは、またちょっと魂が抜けそうになったらしいとの事。

 

 

 

 

 


「ジュリア様!あれほど言っておいたではないですか!ノア殿もノア殿です!」

城に帰って待っていたのは、勿論マリウスのお説教である。
ちなみにノアであるが、流石に騎士装束に着替えている。
しゅんと肩を落とすノアを見つつ、さすがに悪かったかなーという思いが半分。
もう半分は・・・

「ぶふっ!」
「ジュ・リ・ア・様?」

勿論、あの事なのであった・・・
 

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